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見えなくても大事な加工-印刷物の表面保護処理-

更新日:11月20日


街中に掲示されている案内表示やポスター、アニメのキャラクターが印刷されたステッカー、お菓子の包み紙、おもちゃの紙箱など、世の中には様々な印刷物があります。

その印刷物のほとんどには用途に応じて品質を保てるよう、印刷後に表面を保護する処理が施されていることをご存じでしょうか。

 

印刷物の表面加工の方法は大きく分けて2種類あります。

ラミネートフィルムという透明の保護機能を持ったフィルムを貼り合わせる方法と、もう一つは透明のインクを表面に印刷する方法です。

 

今回は透明で目立たないが印刷物にとって大事な役割を果たしている表面保護加工のお話をお伝えいたします。


 

表面を保護しないとどうなってしまうの?

まずは表面保護の必要性についてです。

印刷後、表面保護処理加工を施さないことを印刷業界では「刷りっぱなし」と呼ぶ場合があります。

※広義の意味では印刷後に後加工を何もしないで完成とすることを指します。

 

では刷りっぱなしの状態では保護をした状態と比較してどのようなことが起きるリスクがあるのでしょうか。

 

衝撃による傷


印刷物の種類によっては印刷後に様々な人の手に触れたり、輸送されることになります。

その際にどこかにぶつかってしまったり、擦れてしまったりすると、印刷面が傷ついてしまうことがあります。

それが製品パッケージであれば不良品になってしまいますし、注意表示であれば視認性が落ち、重要な情報が伝えることができなくなってしまいます。

 

退色

物理的な衝撃だけでなく退色により機能が失われてしまうというケースもあります。

印刷物の表面は、日光などの光にさらされ続けたりすると、色褪せてしまうということがあります。

 

色移り

このケースはほとんどありませんが、印刷面が衣服などと強く擦れると表面のインキの成分が色移りしてしまうこともあります。

 

 

  表面保護加工の種類

文頭でもお伝えしたように印刷物の表面加工の方法は大きく分けて2種類あります。

それぞれに特徴があり、印刷方式の都合や用途によって使い分けられます。

 

ラミネート加工


ラミネート加工は透明のフィルムを印刷した材料に貼り合わせることで表面を保護します。

機能も様々あり、紫外線をカットし印刷面の劣化を防止するサンカットラミネートや、フッ素などを配合した、汚れを雨で洗い流すなど、自己浄化性を持つフィルムもあります。

貼り合わせ方法は粘着剤のついたフィルムを貼り合わせるコールドラミネート方式と、熱を加えると活性化し、接着性を発揮するフィルムで印刷面と熱圧着するホットラミネート方式があります。

 

 

クリアー(クリヤー)、ニス、オーバーコート加工



こちらの加工は業界内でも様々な呼び方がありますが、基本的には透明の樹脂インクを印刷面に塗工することにより表面を保護します。

通常のインクを使用した印刷工程と同じ方法で加工が可能なため、比較的コストが抑えられる傾向があります。

また、印刷面の一部分のみにクリア加工をすることもでき、ツヤ感やマット感のある表現など、意匠面で特徴的な表現が必要な際にも用いられます。

 

上記の方法以外にも製作上の工夫で表面を保護する方法もあります。

 

裏刷印刷


上記2つの印刷面の上に保護処理をするという考え方とは違いますが、透明の材料の場合は絵柄を反転して裏面から印刷することにより材料表面にインクがのっていない状態となり、前述の擦れなどの衝撃に対するリスクに対応できます。

 

 

  加工方法に迷ったら、ぜひご相談ください!

ご紹介しました通りラミネート加工やクリア加工は、印刷物の品質にとって重要な加工となります。

ぜひ印刷物をご検討の際の参考にしていただければ幸いです。

山王テクノアーツではコスト面や機能面のご要望に応じて最適な方法をご提案いたします。

お困りごとがございましたら、是非お気軽にご相談ください!



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