
シールステッカーには屋内向けと屋外向けがあり、両者は一見見た目が似ていますが、実は内容の異なる別物です。
「見積もりに屋内向けシールと書いてはあったが、屋外に貼ってはいけないの?」「屋外向けステッカーは本当に耐久性に優れているの?」
今回はこのような疑問を解決できるよう、屋内向けシールと屋外向けステッカーの基本的な違いの解説、ならびに当社での耐久テストの様子をお届けいたします。
屋内向けシールと屋外向けステッカーの基本的な違い
屋内向けシールと屋外向けステッカーの違いは主に材料と耐久性です。
屋内向けシールは基本的に穏やかな安定した環境での貼付が想定されるのに対し、屋外向けステッカーは風雨や太陽光にさらされる場所での貼付が想定されるため、両者で異なるスペックの材料を採用しています。
屋内向けシール
屋内用シールは、環境が安定した屋内で使用されるため、特に高い耐久性は求められません。そのため、紙やフィルムなど、多様な素材から用途やイメージに合った材料を選択できます。また、屋内で使用されるため、退色の心配も比較的少なく、パステルカラーなど、特に退色しやすい色表現も選択可能です。ただし、屋内使用を想定した仕様のため、屋外で使用すると退色や剥がれが起こりやすくなります。
屋外向けステッカー
屋外に貼付するステッカーは、風雨や太陽光(紫外線)、昼夜の温度差にさらされてもステッカーの視認性を損なわない耐久性が必要です。材料は塩ビフィルムが多く、耐久性を高めるためにラミネート加工を施されている場合もあります。長期間退色しにくく剝がれにくいのが特徴です。
屋内向けシールと屋外向けステッカーの耐久性の違いとは
上記の通り、屋内向けシールと屋外向けステッカーの違いを検索すると、必ずと言ってもよいほど屋外向けステッカーの耐久性が差異として挙がりますが、実際の違いはどれほどなのでしょうか。
そこで当社で一般的に屋内向けシールにて使用している材料と、屋外向けステッカーにて使用している材料の耐久性を比較する実験を行います。

こちらの写真をご覧ください。アルミ板に屋内向け材料と屋外向け材料を貼付してある様子です。
左側の白色材料が屋内向け、右側の青色材料が屋外向けです。今回はアルミ板に貼付された材料に高圧洗浄機を噴射し、それぞれの材料のはがれるまでの時間を確認します。
なお材料のサイズはどちらもはがき程度の寸法とし、接着力を高めるため少なくとも貼付後24時間以上を空けてから実験を行っています。
(動画は見やすく編集してあるため、実際の秒数とは異なります。)
高圧洗浄機を噴射し始めて8秒、動画では確認しにくいですが、左の屋内向け材料(白色)の下辺がめくれ上がりました。確認のために一度噴射を止め、再開後わずか3秒(計11秒後)で屋内向け材料は割け、全体の3分の1ほどが剥がれてしまいました。
対して右の屋外向け材料(青色)に噴射します。はがれやすい角を中心に辺にもまんべんなく高圧洗浄しますが、びくともしません。
しばらく噴射しても屋外向け材料が剥がれない状況が続き、角を重点的に高圧洗浄していくと22秒後、ようやく左上端が剥がれました。

実験後の材料の様子です。

屋内向け材料(白色)は糊をまだらに残して表面の基材部は剝がれてしまいました。

一方屋外向け材料(青色)は左上端の基材部のみ剥がれ、他の箇所はしっかりと貼りついています。
今回は耐久性をお見せするための極端な例として、材料に対して直接高圧洗浄機を噴射しましたが、実際の屋外向け製品の場合は、耐候性に優れたラミネート加工や剝がれにくいようにR加工を施すなど、更に耐久性をアップさせる加工が可能です。
参考記事
当社ではお問い合わせをいただいた際にはお客様のご希望、用途をヒアリングのうえ、メーカー資料などに記載されている耐候性などのスペックと実際の実績から最適な使用をご提案いたします。
すでに設置している表示物の貼替の場合も品質、コスト面でお悩みがある場合もぜひご相談ください。
適正価格を見極めるための見積比較のご依頼も大歓迎です。
参考記事
数か月の短期表示から、5年以上の長期表示まで、屋内屋外問わず表示物をご検討の際は山王テクノアーツにご相談いただけましたら幸いです。
