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暮らしの安全を守る反射材とは?その仕組みと使用例

更新日:2024年10月23日


夜間の安全を守る反射材。皆さんも学校や地域の交通安全教室で反射材の有用性について聞いたことがあるかもしれません。

ひとくちに反射材といっても、使用環境や用途に応じて手軽に使用できるものから、高機能なものまで、様々なグレードのものがあります。

今回は反射材についてご紹介すると共に、反射材の選び方や取り入れ方についてご提案いたします。



  目次  




反射材とは

反射材とは主に再帰反射の原理を利用し、光を当てた際に輝いて見えるものを指します。リフレクターと呼ばれることもあります。

現在ではガラスビーズタイプとプリズムタイプの2種があり、一般的にガラスビーズタイプに比べ、プリズムタイプの方がより反射輝度と呼ばれる光を反射する量の数値や耐久性が高くなっています。


ライトや蓄光製品とは異なり、発光するものではありません。また、反射材は自ら光るものではなく反射で光るため、電源不要でどこにでも気軽に設置ができるメリットもあります。


反射材はコストや要求される明るさに応じて使い分けがされていますが、たとえば道路標識のように悪天候など過酷な環境下で機能を発揮し続けなければならない場合は、プリズムタイプが採用されることが多いようです。

一方ガラスビーズタイプは、プリズムタイプに比べ斜め方向からの反射に強いため、円形、曲面に貼る場合に採用されています。


反射材は、自動車や自転車において装着義務が法律にて定められており、公道を走る際には必須のパーツです。



再帰反射とは

一般的な反射する素材(鏡など)は、入ってきた光が拡散したり、反対方向に反射してしまい元の方向には戻りません。これは鏡面反射や乱反射といわれます。

それに対し、再帰反射とは、どのような方向から光が当たってもそのまま光源の方向に向かって光が跳ね返るよう光学的に工夫されている仕組みを指します。再帰性反射と呼ばれることもあります。

再帰反射材には大きく分けて4種類があります。



①オープンビーズ型(露出ビーズ型)

布やプラスチックフィルムの表面に反射層を敷き詰め、ガラスビーズを埋め込む構造です。

ガラスビーズが露出しているため、反射性能が高い一方、汚れやすく反射機能が低下しやすいといった欠点があります。

布に使用可能で洗濯にも対応できるため、衣料や靴、かばんなどに使用されています。


②封入レンズ型(封入型)

下地+反射層の構造に加え、透明なプラスチックフィルムの中にガラスビーズが封入されている構造です。

表面が平滑で汚れを落としやすい点、プラスチックフィルムを着色することで反射光に色を付けられる点に強みがあります。


③カプセルレンズ型

オープンビーズ型の構造の上にさらに空気層(及び支柱)とトップフィルムを追加した作りになっています。

オープンビーズ型の反射性能を活かしながらも、欠点であるガラスビーズの露出を改良した構造になっています。


④プリズム型

特殊なプリズムが高密度で配置されており、光に対してプリズムがそれぞれ反射することで輝きます。

構造はカプセルレンズ型同様トップフィルムの下に空気層と支柱があり、さらにプリズム層、下地と構成されています。超高輝度が強みです。



より効果的な反射材とは

購入する以上、より安全効果の高い反射材を選びたいものです。

「最強」の反射材とはどのようなものなのでしょうか?

以下の画像はプリズム型反射材(左)と、封入レンズ型反射材(右)です。

この2つの反射材の見え方を比較実験してみます。

部屋のあかりの下では同じように見えます。


では、部屋を暗くして懐中電灯のあかりで照らしてみます。


一目瞭然ですね。プリズム型反射材(右)は比較して鏡のように眩しく輝いています。


では、色の違いでは見え方は変わるのでしょうか。

今回は同じスペックの反射材同士で比較します。

部屋のあかりの下では色がはっきりと視認できます。



部屋を暗くして懐中電灯のあかりで照らしてみます。


感じ方にもよりますが、白や黄が明るく輝いているのに対し、暗色はやや沈んで見えます。

より反射材の効果を高めるためにはプリズム型反射材、色は白または黄色がおすすめと言えるでしょう。



反射材の活用例

反射材はあると便利ですがどこで使用されているのか一見わかりにくいものです。

街や身近な場面のどこで反射材が使われているのか見ていきましょう。


まず、一例としてあげられるのが道路の様々な表示物です。

車や二輪車を運転をされる方ですと、道路標識のほかにも、カーブでガードレールなどに取り付けられている視線誘導標(ガードレール上部に取り付けられる丸型の板)や、ガードレールの側面に取り付けられる線形誘導標(下記写真のような「<<」や「>>」の表示)が道路でよく見かけられる反射材としてなじみ深いのではないでしょうか。

また、車道の中央線などに設置されているポール(車線分離標)や、鋲(道路鋲)にも反射材が使われているほか、路面標示自体が反射する場合もあります。

他にも、電柱に直接括り付けられている電柱標識板(黒と黄色のストライプ柄の板)や、細い道路でみかける「歩行者注意!スピードおとせ!」といった電柱幕も反射材である場合が多いようです。



上記のように、どのような方向から光が当たっても光源の方向に光が跳ね返る再帰反射材と夜間ライトを点灯する車両は、注意喚起という点において非常に相性が良いと言えます。


ただし、上記でご紹介したような道路標示が少ない場合や、街灯が設置されていないなど事故リスクの高い危険な道路も多くあります。そのような場合に自分自身の持ち物や衣類に反射材を取り付けることで、周囲にアピールし、事故のリスクを軽減させることができます。


散歩やジョギングのほかにもロードバイクなど自転車での夜間の外出の場合、想定しているよりもドライバーから歩行者が見えにくくなっています。

手軽に反射材を取り入れる手段はいくつかありますが、筆者のおすすめは反射バンドです。

日中はカバンの小ポケットなどに忍ばせておき帰宅時や夜間の外出時に腕に着用すると、安全面もばっちりです。

なお、反射材はよく動く場所に複数つけた方がより効果が高いといわれています。両腕に反射バンドを巻くとより効果が高まるでしょう。



反射バンドの導入は難しい……そんな場合にも反射材は多様な製品が展開されています。

例えばグッズ類。アクセサリーやキーホルダー、ワッペン、バッジなど反射材を使用した雑貨は通販で気軽に購入できます。筆者も某テーマパークで購入した風船型の反射キーホルダーを使用していますが、カバンの上でゆらゆらと揺れるお気に入りのキャラクターは特別感があります。雑貨で反射材を取り入れる場合は、お好きなキャラクターのグッズを探してみるのも面白いかもしれません。

アクセサリーやキーホルダーが身につけられない場面でも、靴やかばん、レインコートやリストバンドのような衣料品で反射材が使用されている商品もございます。

反射材を身に着けるならお気に入りの方法で取り入れたいものですね。


また、移動できないものや手持ちのものに反射材を付ける場合はこのような方法もございます。


塗料やスプレーで塗装する

→駐車場など私有地に反射材を取り入れたい場合に有用です。


テープ・布・シートで貼付

→例えば手持ちのヘルメットや自転車かごに反射材を取り入れたい場合に有用です。


反射材生地で製造

→企業のユニフォームやカバンなどをオリジナルで製作される場合、暗い場所での作業をされるようでしたら反射材生地が効果を発揮するかもしれません。



安全を守るために…

夜間の歩行者の服装で、黒っぽい服装の人は26mの距離で発見できるのに対し、反射材を着用した人は57mの距離で発見できるというデータをご存知でしょうか。

時速60km/hの車ですと、ブレーキがきき始めてから停止までに約37mも進んでしまうため、上記の条件の場合、仮にすぐ歩行者に気が付けたとしても黒っぽい服装の人との衝突は避けられません。

これは歩行者に対してだけではなく、設備に対しても同様のことが言えます。手すりや建物の角、駐車場や階段など、衝突や事故を防ぐために対応はされておりますでしょうか。

反射材でしたら電光掲示板などと比較して安価に導入でき、高い効果も見込めます。

安全を守るための反射材、よろしければご検討ください。


山王テクノアーツではお客様のご要望に応じて最適な仕様の選定からサポートいたします。

また、一部の反射材においては、当社で印刷加工や外形加工を加えることができるものもございます。

銘板、表示物の手配でお困りのことがございましたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。


オリジナルのステッカー・デカールも取り扱っております!



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