ラベルシール、ステッカーの製造をご依頼いただく際、サイズや表面のデザイン、ラベル形状などご指定いただきますが、つい見落としがちになってしまうのが粘着の強さです。 こちらの選定を誤ってしまうと被着体に対しての相性などにより、長期間貼りつけておきたいのに剥がれやすくなってしまったり、また逆にキレイに剥がしたいのに表面基材が破れて残ってしまったりと、思わぬ不都合が起きることもあります。 今回は粘着の種別や、強度、またそれぞれの環境への負荷など、皆様に適切な粘着スペックを選定していただけるよう、特徴をお伝えいたします。
粘着剤の種類
ラベルに使用される粘着剤には原材料別に大きく分けて3つの種別があります。 エマルジョン(エマルション)タイプ 比較的安価に製造が可能で、最も使用されているタイプです。 主に屋内用途のラベルに使用されており、紙系の素材の粘着剤として多く採用されていますが、後述する溶剤型のラベルと比較して粘着の耐用年数が短く、水に弱いという特徴があります。 また、性質上高速で塗工できるため安価に製造できます。 世の中に流通している約7割がこのエマルジョン系の接着剤です。 溶剤タイプ 溶剤タイプは屋外用途のラベルに主に使用されます。 水に強い上に、寿命も長く、糊が硬いため剥がしたときに糊残りしにくいという特徴があります。 フィルム系の基材に多く使用されておりますが、製造時やリサイクルの際などの環境への負荷があるため、現在では割合は全体の1割程度となっています。 ホットメルトタイプ 製造工程がエマルジョンタイプや溶剤タイプとは異なり環境負荷が最も少ない粘着剤です。 特に初期接着性に優れ、高速のオートラベラーでの貼り付けなどにも適しています。 環境には優しい点は強みですが、まだまだ日本国内ではラインナップが少なく、選択肢が限られています。
環境にやさしい粘着剤は?
上記の粘着剤のうち、溶剤型は、その名の通り溶剤を使用しています。 製造工程で溶剤を蒸発させることで粘着面を形成するため、その際にVOC(揮発性有機化合物)が発生します。 そのため環境への負荷が高く、環境対応が世界的に推進されている現在では、溶剤タイプのラベルの割合は減少し、ラベル業界では脱溶剤化の流れが進んでいます。 近頃では溶剤を使用している粘着剤にも、バイオマス原材料を用いた環境配慮型ものも流通し始めています。 一方エマルジョン型は製造工程で蒸発させる工程はありますが、水しか発生しないためVOCの排出量、という観点で見ると環境への負荷は少なくなっています。 また、ホットメルトタイプはその名の通り、固形化された粘着剤を熱で溶かして塗布する為製造時に溶剤を用いません。 そのため環境負荷少ないですが、まだシール・ラベル用途での日本国内での流通量は少なく、今後期待されている粘着剤です。 上記のことから粘着力、耐熱性、耐水性など溶剤型と比較して劣る部分はありますが、環境にやさしいこれからの時代に合った粘着剤タイプは、現状ではエマルジョン型の粘着剤、ということになります。 環境対応ラベルについてはこちら ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ 参考記事 目的に応じて使い分け、様々な環境対応ラベル 参考資料 目的別環境対応ラベル材料選定ガイドブック
様々な粘着の種類
ここからは本題の粘着の種類(グレード)についてお伝えしていきたいと思います。 ラベルシールを手配する際、粘着の種類の多さに混乱したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。 また表記もメーカーごとに違うものもあり、その表現が一体どれくらいの強さなのか、想定する貼付け先に適しているのか…など悩むこともあるかと思います。 当社にご相談いただいた際はもちろん用途被着体などご要望をお伺いしたうえで最適なスペックのものをご提案いたしますが、ご自身でネット通販で手配される際などは、下記に一般的な表現とその説明を記載いたしますので、参考にしていただければと存じます。 永久接着タイプ 超強粘 粗面などに対応出来る粘着剤 屋外の凸凹面などでもしっかりと貼付できます。 強粘 一般永久接着より少し強い程度 普通粘着 紙やSUS(ステンレス)被着体などの比較的被着し易いの平割面であれば問題無く接着する粘着剤
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