top of page

再帰反射とは?暮らしの安全を守る反射材マーキング

更新日:4月22日



交通安全のために対策はしてますか?


反射材は日々暮らす中で、様々な場所で目にします。

交通標識や道路工事の警備員のユニフォーム、最近ではフードデリバリーのカバンや、夜間のウォーキング、ランニング、犬の散歩の際につけて歩いている人も見かけます。

光を反射するという特性があるので、暗い夜道で存在が目立つようにアピールし、事故にあわないようにするために有効な手段として利用されています。

反射材とは


一般的な反射する素材(鏡など)は、入ってきた光は拡散したり、反対方向に反射してしまい元の方向には戻りません。これは鏡面反射や乱反射といわれます。

一方、一般的に反射材と呼ばれるものは、どの方向から光が当たっても光源にそのまま光を返す再帰反射という仕組みを持っています。

反射面の構造を調整して、入ってきた方向と同じ向きに光を反射します。

この仕組を持つ反射材は現在ではガラスビーズタイプ、プリズムタイプの2種があり、

一般的にガラスビーズタイプに比べ、プリズムタイプの方がより反射輝度と呼ばれる光を反射する量の数値や耐久性が高くなっています。

要求されるコスト、明るさに応じて使い分けがされていますが、道路標識のように悪天候など過酷な環境下で機能を発揮し続けなければならない場合は、プリズムタイプが採用されることが多いようです。

一方ガラスビーズタイプは、プリズムタイプに比べ斜め方向からの反射に強いため、円形、曲面に貼る場合に採用されています。

このように明るく光を反射する反射材は様々な場所、状況での事故防止、安全面でもとても効果を発揮します。

今回は弊社、山王テクノアーツでも取り扱いのある、車両への反射材マーキング。その装着の効果、その保安基準による制約

などについて書いていきたいと思います。

車の安全性を高める反射材

一般的に交通事故は昼間よりも夕方~夜間の暗い時間帯に発生する割合が高くなっており、事故を防止するための対策は次々と発案されてきました。

ライトの明るさ、ブレーキ性能などの改善も進みましたが、その中で反射材も車両の視認性を高めるツールとして普及してきました。

日本では今日現在、衝突した場合、重大な事故につながる可能性のある大型車両については、国土交通省の保安基準で後部には反射板の設置が義務付けられています。

注意して街中を走るトラックを見てみると黄色と赤の縞模様の反射板が設置されています。

日本国内で反射材の設置が義務付けられている車両

1.長さ6メートルを超える普通自動車

2.長さ6メートル以下の普通自動車であるけん引自動車

3.長さ6メートル以下の普通自動車である被けん引自動車

4.ポール・トレーラ

一方トラックなどでの陸上運送が盛んな欧米では車両の輪郭を反射材のテープで囲うことにより、車両の視認性が格段に向上し、事故リスクが軽減されるとして、輪郭表示反射シートは普及しています。

その中でもアメリカでは1997年よりすべてのトレーラーに反射シートの装着が義務付けられています。



この車体への輪郭マーキングを施した車両はそうでない車両と比較して、事故発生件数が1/30になったという実験結果もあり、事故リスク軽減するための効果はかなり高いようです。

これだけ効果があるのであれば国内でも普及しているかと思うのですが…

視点を日本に戻してみます。

改めて街を走るトラックなどを見てみると、義務化されている後部反射板は設置されていますが、輪郭部分を再帰反射材でマーキングしている車両はあまり見かけません。

安全に対する意識が高いと思われる日本で、これほど効果が実証されている反射材が普及していないのはなぜなのでしょうか。

理由はいくつかあるかと思いますが、その一つは保安基準の複雑さにもあると考えます。

車両に対する反射材表示に関しては国土交通省の保安基準で細かく規定されており、

再帰反射材の反射光の色、明るさ、反射部の形状、寸法などの決まりがあります。

これを守っていないと不適合とみなされ、車検時に不合格になってしまうこともあるようです。

→参考:再帰反射材保安基準 https://www.mlit.go.jp/common/000187657.pdf

また上記の条文を見ていただけるとわかるかと思いますが、表現が難解な部分もあり、専門業者でも適合、不適合の判断のわかれる、いわゆる保安基準に対するグレーゾーンが存在しているような状況です。

規定をよく読み、保安基準に適合しているつもりで表示を行っても、いざ車検になると不合格になってしまう、というようなことも起きるかもしれませんので、事前の入念な確認は必須となってきます。

グラフィックマーキングとしての反射材

話は変わって安全性に加え、反射材に印刷を施したり文字の形状などにカットすることにより、いわゆる「光る社名、ロゴステッカー」というものも作ることができます。

このマーキングは通常社名表記などが見えづらくなる夜間においても、光が当たると反射するので、24時間明るさを問わず社名などをアピールすることができます。

最近ですと某宅配便会社のトラックなどにも採用されているようで、信号待ちの際に後ろに停車すると、社名のロゴが反射して光るのでついつい目が行ってしまいます。

このように安全性+アピール力を兼ね備えた反射表示というものも今後多くなってくるかもしれません。



この印刷、形状加工を施した反射材をトラックに貼る際にも、前述の輪郭表示と同様に保安基準の確認が必要になってきます。

車体の輪郭に貼る反射材は「輪郭表示再帰反射材」、一方印刷や形状加工を施したものは「特徴等表示再帰反射材」と呼ばれます。

保安基準によると、この「特徴等表示再帰反射材」を荷台に表示するには、車両側面の「輪郭表示再帰反射材」の内側にのみ表示できる。と規定されています。

つまりはトラックの荷台の社名を反射材マーキングにする場合は、車体輪郭部分も規定のスペックの反射材で輪郭マーキングしなければ、保安基準に不適合になってしまう。ということになります。

この辺りを抑えておかないと、せっかく反射材で目立つ社名マーキングをしても、車検の際に剥がさなければならない、なんてことになってしまう可能性もありますので、十分に注意が必要です。

このように、多少複雑な保安基準ではありますが、しっかりと基準に沿えば、安全性に加え他社とは一味違う意匠性も手に入れられる反射材マーキング。

一度ご検討してみてはいかがでしょうか。


山王テクノアーツではこれらの輪郭表示再帰反射材、特徴表示再帰反射材につきまして、保安基準に適合したものをお取り扱いしております。

耐久性、コスト面などのご要望に応じラインナップをご用意しております。

ご不明な点等ございましたら、ぜひ一度お問い合わせください。

反射材マーキング製品特設紹介ページもございます。

ぜひご覧ください!


#コラム


閲覧数:680回
bottom of page