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はじめてのシルクスクリーン印刷

更新日:2月8日



「印刷を業者に頼みたいが、色々な印刷の種類があってよくわからない」「要求水準に対してどの印刷方法が適正かわからない」…こんなお悩みはございませんでしょうか。

今回は航空や鉄道の内装・外装表示から工業用ラベルまで幅広く採用されるシルクスクリーン印刷について解説します。


   目次   


シルクスクリーン印刷とは

シルクスクリーン印刷は孔版印刷の一種であり、スクリーン版(スクリーン)と呼ばれる板版の上からインクを押し出し印刷する方法を指します。スクリーンは版枠とスクリーン紗(メッシュ)で構成されており、このスクリーン紗に印刷部分だけインクが通るような加工をすることで任意の柄を印刷させることができます。

現在のスクリーン版はナイロン・ポリエステル・ステンレススティールが主流ですが、かつてはシルク(絹)を用いてこの印刷を行っていたため名残りでシルクスクリーン印刷と呼ばれています。最近ではスクリーン印刷と呼ばれることもあります。



シルクスクリーン印刷の流れ

①デザイン作成

 印刷したい文字や図柄をデータで作成します。

 

②版下データ作成

 ①のデータからスクリーン版用のデータ(版下データ)を作成します。


③製版

 版下データをもとにスクリーン版を製作します。

 印刷内容に適切なスクリーン紗(メッシュ)の目数を選定し、

 スクリーン版には印刷部分だけインクが通るように加工をします。


④インク調合・材料準備

 印刷に使用するインクを調合します。

 また、印刷機や製品に合うサイズに材料を裁断します。


⑤印刷


⑥乾燥

 印刷物を炉に入れ乾燥させます。

 シルクスクリーン印刷は特性上一度に1色のみの印刷となるため、

 デザインが複数色で構成されている場合は⑤と⑥を交互に行い、全色分印刷と乾燥をします。


⑦(必要に応じて)後加工

 印刷面保護のためのラミネート加工や貼り付け時の利便性のための裏スリット加工など成型加工を行います。


⑧品質検査

 当社の認定検査員による品質検査が行われます。


シルクスクリーン印刷の特徴

様々な素材に印刷可能

シルクスクリーン印刷は「水と空気以外には印刷できる」と例えられるほど様々な素材に対して印刷ができます。というのも印刷物の上にインクを乗せるという仕組みのため、紙やプラスチックはもちろん、ガラス、金属など素材問わず印刷が可能です。形状も厚みのある素材や円柱などの立体物にも印刷することができ汎用性に優れています。


色数が豊富

シルクスクリーン印刷に使用するインクには豊富に色数があります。

例えば以下の色は後述のデジタル印刷(インクジェット印刷)では表現が難しいですが、シルクスクリーン印刷では対応可能です。

①蛍光色(ネオンカラー):

 蛍光色が眩しく見えるのは、蛍光色に蛍光物質が含まれており、

 蛍光物質が紫外線を可視光線に変換する性質があるためです。

 シルクスクリーン印刷の場合、蛍光色は特殊な顔料を使用します。


②メタリックカラー:

 メタリックカラーは金属的な光沢感のある色を指します。金属の輝きが高級感を高めます。


③パステルカラー:

 パステルカラーは白色が混ざった淡い中間色を指します。

 CMYK(後述のデジタル印刷での印刷方法)は混ぜるほど暗い色へと変化していくため、

 どんなに混ぜても白色にはなりませんが、シルクスクリーン印刷なら印刷可能です。


参考記事


隠蔽性・耐候性に優れている

隠蔽性とは下の色が透けずに覆い隠す性質を指します。

シルクスクリーン印刷はインクを厚く盛るため、下地の色の影響を受けづらくインクが鮮明に発色します。また、隠蔽に優れた性質ということはインク内部に太陽光や水を通しづらいということでもあり、その結果として変色や劣化を防ぐことができます。屋外使用しても長持ちする(耐候性が高い)と言われております。

また、インクの上にUVカット性能のあるラミネートやクリアーコーティングを施す事により、さらに耐候性を伸ばすことも可能です。


上記のような強みがある一方で、シルクスクリーン印刷方式を採用する際には注意が必要な点もあります。


少量や多色印刷の場合はコスト高になることも

シルクスクリーン印刷は印刷の特性上必ず版の製作(製版)が必要になるため、少量製作の場合割高になってしまいます。

また多色の場合は色の数だけ版が必要になるため、色数によっては製版代が高額になる可能性があります。


細かい線の表現が苦手

スクリーン紗(メッシュ)にインクを通す印刷方法の特性上、細かい表現に限界があります。

細かい線は印刷つぶれやかすれの原因になりますので注意が必要です。


製版に時間や費用がかかる

シルクスクリーン印刷は特性上製版の工程が発生します。そのため校正後すぐには印刷に取りかかれず製版を行う時間が必要な点、リピート注文の際に版が劣化して再製版(再版)が必要になる可能性がある点には注意が必要です。



当社の他の印刷方法との使い分け

当社で見積もりをする場合はお客様の細かなニーズをヒアリングし、可能な限りお客様のご要望に沿うよう見積もり算出をしております。そのため一概には断言しかねますが、おおよそ以下の基準でシール印刷・デジタル印刷との使い分けをご提案しております。


シール印刷(凸版印刷方式)



製品のサイズが小さい場合や注文数量が大量の場合は、印刷からラミネート加工、外形加工まで一貫して1つの機械で行えるシール印刷がコストパフォーマンスに優れているため採用されることが多いです。

ただしシール印刷で製作した製品は屋外に向かない仕様が多いため、基本的には使用箇所が屋内の場合にシール印刷をお勧めしています。

また、機械(ラベラー)で貼り付けを行うシール製品は枚葉(一枚一枚カットされた状態)ではなくロール状で仕上げる必要があります。印刷からラミネート、外形加工までを一台で完結でき、ロール状に仕上げられるシール印刷はこのような場合でも選定されることが多くなっています。


デジタル印刷(インクジェット印刷)



写真に代表されるようなグラデーションが多い画像や色数が多く複雑な表現の場合はデジタル印刷をお勧めしています。というのも、シール印刷は多色表現が難しいこと、シルクスクリーン印刷はグラデーション表現が苦手であるためです。

また、シール印刷やシルクスクリーン印刷での印刷の限界サイズを超過する場合、デジタル印刷をお勧めしています。これは複数枚に分割して印刷しその後の貼り付けの際にずれがないように印刷箇所を細かく調整する必要があるためです。

他には、少量注文でシルク印刷が割高になる場合にデジタル印刷を選定することもあります。

デジタル印刷は製版が不要のため少量注文時に負担になりやすい製版代が発生しません。そのためご希望仕様や用途によってはシルクスクリーン印刷ではなくデジタル印刷をお勧めする場合があります。


もちろん上記のシール印刷・デジタル印刷・シルクスクリーン印刷以外にも、用途やデザイン、製作枚数に応じてオフセット印刷やインクジェット印刷以外のデジタル方式などお客様のご要望もあわせて適宜選定、提案しています。


参考記事



まとめ

シルクスクリーン印刷の最大の特徴は耐候性・隠蔽性に優れ素材を選ばず印刷できるという点にあります。一方で印刷の特性上細かすぎる内容は印刷できないこと、少量注文は割高になること、期間が空いてのリピートは再版が発生するといった点には注意が必要です。メリットデメリットを鑑み、最適な印刷方法で製作することが重要です。

当社は物質調査や証明書類作成も対応しておりますので、お客様のご希望だけではなく証明書類の条件を加味して最適な仕様をご提案いたします。「こんな仕様で製作可能か」「こんなイメージのものを作りたい」などお気軽にご質問くださいませ。


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