2022年4月27日

抜き型?カッティングプロッタ?中~大判ステッカーの形状加工の方法

最終更新: 4月22日

様々な形状に加工されたステッカーは、街のいたるところで目にすることができ、
 
車やお店のウインドウ、キャラクターシールまで、日々の生活の中に存在しています。
 
以前の記事でもカッティングプロッターによる加工方法をご紹介しましたが、


 
意外とアナログな作業も!?店舗、社用車装飾の基本ツール、カッティングステッカーができるまで
 

 
今回は中~大判サイズのステッカーの加工法について、カッティングプロッター加工と、もう一つの代表的な方法である抜き型による形状加工の使い分けなどについてもお伝えいたします。
 


 
少量多品種ならカッティングプロッター、多量少品種は抜き型で

サイズはおよそ横1000mmx縦200mm、インクジェット印刷+表面保護ラミネート後カッティングプロッターにて加工
 

 
画像のようにある程度の大きさのラベルステッカーの形状を加工するには、大きく分けてカッティングプロッターと抜き加工という2つの加工方法があります。
 

 
カッティングプロッター

10年以上稼働し続けているにもかかわらず全力で現役続行中のMimaki社製CG130-FX
 


 
加工する材料を機械にセット、データをPCから送信すると、その通りに刃がついたユニットが動き、任意の形状に自動でカットできます。
 
大きな特徴は後述する抜き加工では形状ごとの刃型の作成が必要ですが、カッティングプロッターでの加工の場合は形状のデータさえあればOK、刃型代がかからないため、多品種で数枚ずつの作製が必要な場合にコストを抑えることができます。
 

 
機械の形状はロールタイプとフラットタイプがあり、国内および世界各国のメーカーから多種多様な機能を持った製品が販売されています。
 

 
mimaki社製品紹介サイト(外部リンク)
 

 
また、ロールタイプは数10mに及ぶ長尺の材料加工ができ、フラットタイプは厚みのある材料の加工ができるという特徴があります。
 
具体的には数メートルに及ぶ帯のようなものを加工するときはロールタイプ、スチレンボードなど厚みのあるものを加工するときはフラットタイプというような形で使い分けることができます。
 
当社ではロールタイプのカッティングプロッターを二台保有しており、小ロットでの形状加工にも対応しております。
 

 
抜き加工機

最大級の抜き加工機であるSFDC2100は、設置している部屋の大部分を占拠するほど巨大。注意書きも巨大です。


 

 
一方抜き加工機はベースとなる板に刃型を配置、機械にセットしプレスをすることにより打ち抜き加工を行います。
 
プレス圧の調整による刃の入り方の加減でハーフカット、全カット、スジ入れに対応できます。
 
刃が移動してカットを行うので形状の複雑さや面積に比例して加工時間が増加してしまうカッティングプロッター加工と比較して、抜き加工機はどのような形状大きさでも1プレスで加工が可能なので、同一の形状である程度量がある場合は抜き加工が選定されることが多くなっています。
 

 
刃の種類もスタンダードなビク、トムソン刃と呼ばれる刃型の他に、加工精度の高いピナクル刃、彫刻刃があり、用途に応じて使い分けられます。
 

写真はビク抜き型、トムソン刃型などと呼ばれるスタンダードな刃型。ビクはビクトリアの略らしいです。
 

 
当社の設備では加工サイズに応じて3台の抜き加工機で対応しております。
 
その中でも最大のサイズのトーコー製SFDC2100は最大加工サイズが2000mm×1200mmとなっており、大型の製品の加工も可能になっております。
 

 

 
その他の加工方法
 

 
今回メインでお伝えした2種の他にも、形状加工方法は様々なものがあります。
 

 
金型抜き加工機
 
金属などの硬質な素材に関しては、金型を使用した抜き加工機で加工が可能です。
 
金型を使用するため寸法精度などは上がりますが、ビク、トムソン加工と比較すると、金型作製のコストがかかり、寸法の制限もありますので大判の加工には不向きです。
 
当社では 富士機工製SSP-3025ⅡS を使用し加工を行っております。
 

 

 
レーザーカッティング
 
レーザー光線により外形をカットできます。
 
大判に対応できる機械もありカッティングプロッター同様抜き型も不要のため、コストメリットがあります。
 
注意点としてはステッカーで使用されることの多い塩ビ素材などはレーザー照射時に人体に有害なガスが発生、さらに機械の故障の原因になるため、加工ができません。
 


 
シャーリング、角R加工
 
金属素材などで形状が四角形の場合はシャーリング機を使用した断裁でも加工が可能です
 
角に丸みが必要な場合も専用の角R加工機にて加工いたします。


 

当社の足踏み式シャーリング機


 

角R加工機。様々なRサイズに対応しております
 

 

 
このように加工する材質やサイズ、数量、などの要素によって加工方法を選定することで、品質、コストの両面で最適な製品を作製することができます。
 


 
最適な加工方法をご提案いたします


 
最後までご覧いただきありがとうございました。
 
山王テクノアーツでは、素材、形状、貼付場所、期間、品質、予算などをお伺いしたうえで、最適な材料加工方法にてご提案をいたします。
 
ぜひステッカーなどの表示物をご検討の際はお問い合わせください。
 
〇〇を〇〇に表示したいというご相談をお待ちしております。


 
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